大型矢穴が開けられた巨石です。
石工は山中の巨大な自然転石を母岩として矢穴を開け、楔(くさび)を用いて石を切り出します。

慶長年間から元和前期の採石作業では、木製楔を利用していました。
開けた矢穴に木製楔を打ち込み、水を掛けて木材の膨張を利用して石材を調達していたのです。
木製楔の場合、膨張の作用を大きくするため矢穴は大きく加工されていました。

元和年間後期から寛永年間になると楔は鉄製に替わり、
矢穴に差し込んだ鉄製楔をゲンノウで叩いて石材を切り出しました。楔が木製から鉄製に変化したことで矢穴幅は縮小していったのです。

このことから矢穴幅より時代考察が可能となっています。



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