矢穴跡は比較的小さく、徳川家光による城普請発令後に寛永時代の作業では無いかと思われます。
長さは3mを優に超え、横幅な約1m、高さは埋没しているため把握できませんでした。

自然転石からの削り出し途中の角石は非常に珍しく、
重要文化財に指定されてもおかしくない江戸城築城石切出し残石なのです。

ところが存在する場所は、別荘分譲地内。
貴重な石丁場を大規模に破壊し、分譲地としたのは日本の大手不動産会社・三菱地所株式会社。
石丁場の真ん中に汚水処理施設を建設、石丁場内にアスファルトの道を通し、
日本史上最大の城郭、江戸城の石材調達地を冒涜しているのです。

同分譲地内には縄文時代の遺跡があり、国内初と言われる黒曜石石器工場が確認されていますが、
現在は住宅の下に埋もれているのです。

行政の責任は大変重く、大事な文化財が存在する土地に対して、
埋蔵文化財包蔵地に指定されていないのです。

小田原市、熱海市、伊東市の江戸城築城石石丁場が国の史跡に指定されているのを横目に、
東伊豆町の行政は見て見ぬふり。
行政区として成り立っていない事を物語っています。