矢穴幅の違う矢穴を持つ割石と、奇妙な矢穴跡を残す割石と同じテラス状の石丁場で見つけた謎だらけの石なのです。
写真正面には幾筋も刻まれた石鑿の線条痕。
線条痕は矢穴を開ける際の目印として良く見かける石鑿の跡ですが、
このように同じ面に幾筋も引かれた割石は見たことがありません。
更によ〜く見ると線条痕面の下部、幾何学的に△の刻印が複数。
線条痕面左側には矢穴跡と石鑿により成形した痕跡。
右面も同様、石鑿による成形の跡があります。

矢穴跡、石鑿跡、線条痕、刻印・・、まるで築城石の標本石のようです。
大きさは周囲の割石と比べると小型で、決して大型の割石とは言えないのです。
この謎だらけの割石、まるでロゼッタストーンのように四百有余年前の石工の囁きをを物語っているようです。


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